アウシュヴィッツ(オシフィエンチム)強制収容所【国立博物館】の日本人ガイド中谷剛さんから
アウシュヴィッツを訪ねたときのこと
2003.10.12日本から贈ったポーランド公演旅行記念誌を受け取って
拝啓
高崎第九合唱団の皆様、渡辺様、赤羽様、小野里様、こんにちは。
昨年、アウシュヴィッツ ミュージアムで皆様をご案内いたしました、中谷 剛と申します。赤城の山々はもう、紅葉するころしょうか。ポーランドはもう、すっかり秋らしくなり、朝晩は気温が5℃以下まで下がります。この時期は<黄金の秋>と呼ばれる美しい時期でもあります。
さて、このたびは、貴合唱団の30周年御記念ポーランド公演に関する貴重な資料をいただきまして、誠にありがとうございました。また、そのなかでの、私への暖かいお言葉に感謝しています。暖かいご配慮を本当にありがとうございました。こちらへお持ちいただいた男性の方、慌しいなかで、皆様のご関係者なのか、旅行会社の方なのか存知あげませんでしたか、もし、ご機会がありましたら、私からの感謝の気持ちをお伝え願えればと思います。
それでは、皆様、どうぞお元気でお過ごしください。父の仕事の関係で、出身の神戸市から栃木の足利市に住居を移していたころ、足利市民会館で群馬交響楽団の皆様に同市の児童のために演奏会を開いていただいたことが、当時、マリンバを個人的に習っていた私のこども心に今でも鮮明に残っています。どうぞ、これからも皆様のご活躍を心からお祈りしています。
草々
中谷 剛
2003.10.20中谷さんからあったメールのことをたいむずに掲載し、その反響とNHK番組について連絡した
小野里様、こんにちは。
高崎第九合唱団の方たちが、今でも、私のことを覚えていらっしゃったと知り、とても感激しています。たった2時間足らずの出会いがこうしてまた、新たなお付き合いとなっていくことに、人間として生まれてよかったとあらためて感じるところです。小野里様のおっしゃるとおり、自己中心の芸術活動よりも、もっと視野の広い皆さんのような音楽はより深く、聴衆の心に響き、長く残ることに間違いありません。死の壁の前での皆さんの斉唱が私の心に残り、群馬交響楽団の記憶が鮮明であるのは、それが理由なのでしょう。私の仕事仲間の友人がNHKの社会情報番組部におり、彼のデスクの隣にいるのがプロジェクトXの担当だそうです。企業の宣伝とはならないような、本来の意味でのプロジェクトマンを探すのは苦労するらしいですが、<群響>の場合は、それが本当にうまくいったケースなのでしょうね。
どうぞ、小野里様、皆様、お元気でお過ごしくださいますよう。また、どちらかでの再会を願いながら。(後略)
中谷 剛