第3回ヨーロッパ公演を終えて
第3回ヨーロッパ公演を終えて正副団長挨拶

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団長 渡辺義之

団長 渡辺義之さん1974年に高崎第9合唱団が発足して、今年で25年になります。それを記念して第3回のヨーロッパ公演を行いました。ニュルンベルクでの演奏会は大成功でした。また帰途に寄ったヨーロッパの各都市も魅力あふれる街でした。このような嬉しい体験を与えてくれたベートーヴェンと、この公演実現にご援助いただいた多数の皆様にお礼申し上げます。

高崎第9合唱団が15周年を迎えた時に、ベートーヴェンの祖国ドイツで第九を歌おうという声が出ました。ドイツ在住のベッカーさんのご尽力をいただき、ハイデルベルク市の聖霊教会を会場にして、ハイデルベルク市交響楽団と一緒に第九の演奏会を行うことが決まりました。1989年9月25日、高崎第9合唱団83名とハイデルベルク市交響楽団による 第九演奏会は、満員の観客の前で大成功をおさめました。この日はハイデルベルク、高崎、両市の市長さんを始め、多くの来客の前で歓喜の歌を歌い両国の親善を深めました。帰途はウィーンに立ち寄り、ロマンティック街道からスイスを訪れました。高崎第9合唱団海外公演の始まりです。

第2回の海外公演は1995年9月26日、チェコ共和国プルゼニ市で行いました。高崎市とプルゼニ市は姉妹都市ですので、会場のオペラハウスの準備など受入体制は万全でした。プルゼニ市交響楽団との第九演奏会は、両市の親善の絆を深めたと信じています。旅程はプラハ…プルゼニ…ザルツブルク…パリでした。

いよいよ第3回の公演です。1998年 10月16日に成田を出発し、17日はドイツ、ニュルンベルク市役所での歓迎レセプションとオペラハウスでのリハーサル。18日のゲネプロからグスタフ・アドルフ記念教会での演奏会まで驚くほど順調に進みました。会場を埋めた1,000人の観客の前で、地元のフュルト青年オーケストラと、ベートーヴェンの第九を演奏した時の感激は生涯忘れ得ないものでしよう。ミュンヘンからハンガリーのブタペストヘ、そしてドナウ河を船でさかのぼってウィーンまでの旅は楽しさに溢れた旅でした。

25年間にわたる高崎第9合唱団の活動では、毎年暮の演奏会が中心的な行事であります。同時に5年毎に行う海外公演への努力とその収穫の鮮やかさは、すてきな魅力でもあります。人生の真の目的が感動を得ることであるとすれば、ベートーヴェンの音楽を通じてあらゆる人々と友達になることは大きな喜びだと考えます。

これからも高崎第9合唱団は、あらゆる機会をとらえてベートーヴェンの音楽に迫って行きたいと思います。


副団長 小野里 博

副団長 小野里博さん初の高崎第9海外公演参加の旅、緊張と期待に胸を膨らませ、成田を出発しました。渡辺団長、赤羽先生を中心に、70名が心を一つにして、ニュルンベルク公演の大成功と思い出に残る楽しい旅、そして全員の無事を念じながら、あっという間の8日間でした。

伝統あるグスタフ・アドルフ記念教会を満席にしての演奏会参加の感激、特に歌い終わったあとの拍手と何分間も続いた足踏みのアンコールを求める声援は生涯忘れることのできない感動を呼び起こしました。

また、ニュルンベルク市及び議会代表の皆さんの温かいもてなしを受けての国際交流をはじめ、ドイツの美しい風景を窓辺に見ながらのバス車中での語らい、居酒屋レストランでの珍しい楽器を使っての楽団や楽しい踊り、街の中心部のバザーでの買い物等、日本では味わうことのできない思い出を刻むことができました。

参加した皆さんの温かい心遣いと友情に感謝しながら、次の第4回海外公演を楽しみにがんばっていきたいと思います。


副団長・合唱指導責任者 赤羽 洋子

指導者兼副団長 赤羽洋子先生ニュルンベルク市グスタフ・アドルフ記念教会での高崎第9合唱団第3回海外公演も無事終わりました。心をよぎるあの日の感激は昨日の事の様に今も鮮やかに蘇ってきます。

10月17日(土)午前10時、時差ぼけと長時間の乗り物でかなり疲れていた私たちは、期待と不安の入り交じっている気持ちを押さえて、第1回のリハーサルに準備されていたオペラ座に向かいました。オップさんとソリストとのリハーサルは、音程の他は余り問題なく、私たちの疲れがとれていつものように演奏できれば大丈夫といった感じで安心しました。

その日の夕方5時、フュルト青年オーケストラとは初顔合わせ、オップさんとは第2回目のリハーサルです。会場のグスタフ・アドルフ記念教会は市内から車で15分ほどの、 住宅地にある石造りの立派な教会で、どこか温かみの感じられる内部には心安らぐものがありました。

若い人達のオーケストラと聞いておりましたので、内心どんな音が飛び出すのかとハラハラしておりましたが、彼らの音楽を聞いて安心しました。日本人の感覚で聞いたら、確かに技術面では日本にはもっと上手いオーケストラは沢山ありますが、彼らの音楽はベートーヴェンの心を受け継いでいるドイツ人の音楽だったのです。あの音は、耳の不自由なベートーヴュンが心に響かせ、心で聞いた音楽そのものだったのだと思いました。若い彼らの演奏が、ベートーヴェンの魂を引き継いでドイツ人の音楽を作り上げているのでしょう。音楽が生活の中にすんなりと入っていて、気負いも背伸びもない自然体での演奏で、音楽を心から楽しんでいる様子に好感がもてました。私たちは、張り切り過ぎて緊張していたようでしたので、もっと気らくに音楽を楽しめたらと思い、国民性の違いを痛感しました。

1998年10月18日(日)ドイツの空は真っ青に晴れ上がっていました。海外公演に出発する前心配していた天気も、予報と大きく違って連日信じられないほどの素晴らしい快晴に恵まれ、赤や黄色の紅葉も私たちの目を楽しませてくれました。第3回目のリハーサルは、本番当日の12時30分ゲネプロ形式で行われ、この時ニュールンベルク歌劇場の男声歌手の力強い応援が私たちのドイツ語を引き立ててくださって、一緒に歌っていて心地よい感動に包まれました。

そして、その夜8時いよいよ本番です。1,000人を越す満員のお客様を迎えての演奏会が始まりました。ここにたどり着くまでの準備、練習、人集め、ドイツ関係機関との交渉、ドイツ語の発音、色々なことが1楽章からの音と共に頭の中をよぎりました。今、この時間が確実に過ぎ去って行くのがもったいない様な複雑な気持ちでした。4楽章では皆が上手く歌ってくれるよう、またオーケストラとうまく合うよう心の中で念じていました。演奏が終わり、一瞬の静寂を破り会場を揺るがすような拍手と地響きのような観客の足踏みが鳴り止みませんでした。本当に長い時間温かい拍手が、遠い日本から来た私たちの音楽を称えてくれました。

日本では暮れの風物詩と言われ各地で第九の演奏会が行われていますが、私たち高崎第9合唱団は本場ドイツでしか味わえないベートーヴェンの心を直接体感できた事の幸せをひしひしと感じております。私たちの演奏がドイツ人の心と一つになれたという事です。言葉の壁も民族の壁も、音楽の前には何も立ちはだかる事はありません。世界共通語は音楽そのものでした。地球の裏側で、しかもベートーヴェンの生まれた国での第3回海外演奏会が大成功に終わった事すべてが、いまだに感動と感激と歓喜に包まれたままです。アンコールに歌った「赤とんぼ」と「別れ」が今も耳の中に鳴り響いています。

この第3回ニュルンベルク公演の成功を励みに更に歌い続けベートーヴェンの音楽に一歩でも近付きたいと願っております。


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