朝食 フュッセン | <パン・紅茶・ハム> 昨夜の大騒ぎとは違って落ちついた食事を取る事ができた。このホテルの水が泊まったホテルの中で一番悪かったような気がする。口に含んでみるとしびれるような気さえした。 人なつっこそうなホテルのオーナー・ビリーさんが玄関先で送ってくれる。 ビリーさんは、ノイシュバンシュタイン城領主ルートピッヒⅡ世の子孫で王位継承者。世が世ならこの地を納める国王なのだそうだ。このホテルの名前はヒルシュ(鹿)。そういえば廊下に鹿の角が飾ってあった。
| | | ホテル・ヒルシュ | ビリーさんの名刺 | オーナー・ビリーさん |
|
8:10 ホテル発 | バイエルン地方の牧場の朝。霧で霞んで見える遠くの林までが牧場。朝日で霜が解けて牛も朝食の時間。 道路沿いの緑の中、点在する農家の白い壁に茶色の屋根、すべての窓に可愛い赤い花が飾ってありとてもお酒落な景色に思える。家の周りにを垣根を作ったりという事もなく軒下から牧場といった感じで、よけい窓辺の花が引き立つ。 次第に丘の起伏が大きくなってきて雰囲気が変わったなと思うと間もなく国境。 |
10:25 国境 で燃料補給と休憩 | 「国境の検問所の写真を撮ってはいけない事になっています。でも日本の観光客でフィルムを取られた人はいないようです。」との話にみんな思い思いの写真撮影。 国境警備員が一人バスの中に入ってきて、最前列の一人のパスポートを確認。無事通過。一度オーストリアに入ってからスイス入り。映画サウンド・オブ・ミュージックで有名な国境に沿って走る。 |
11:32 リヒテンシュタイン公国 に道草 | 人口3万の小さな国。時計やさんでショッピング。みなさん買い物に熱中。2号車は「パスポート事件」で予定より25分遅れの出発となってしまった。送れた時間を取り戻そうと、先に出発した1号車を追ってスピードオーバーの高速道路。次第に岩山が見えてきてアルプスらしい風景に変わる。トンネルをくぐり・湖を見おろし・岩山に沿って軽快に走り、めまぐるしく変わる景色の中でやっと1号車を追い越した。 |
14:00 昼食〔ルツェルン〕 | <チーズ・フォンデューと大きなソーセージ> お昼が遅かったので、おなかペコペコ。まだスイスフランに両替をした人も少なく食前酒は財布と相談してから。急いで食事を楽しんでから早足でバスに戻る。急いだのでデザートのアイスが食べきれない。
|
15:20 ピラトス 登山電車乗り場着 | 臨時列車を増発してくれるとのこと、発車までの間に声が届く範囲で自由行動。各々写真を取り合ったりして過ごす。
|
16:00 登山電車発車
| 登山電車に乗り、ピラトス山登山。アプト式の電車はまさに登ると言うのがピッタリ。2両の車両に分乗して、中は大にぎわい。途中のすれ違い場所で数台の対行車両をやり過ごしてから、杉林をぬけてまずは遠くの風景、トンネルをくぐり次第に山の岩肌が近くなる。 登山者の姿が見える、手を降って挨拶。次第に角度も険しくなってきて、線路は岩にしがみついているムカデの様な物。下をのぞくと転がり落ちそうな所を事も無げにどんどん登って行く。約30分で、山頂駅に到着。山頂は寒いと聞いていたが、とても良い天気でそれほどではなかった。そこからの眺めは、「うわ-!」という感じ。とにかく素晴らしい。山頂では時間に余裕がなく気ぜわしかったが、霞んで見える遥か氷河の山々を、瞼に焼き付けてきました。パラグライダーで降りる人もいるが、私たちはロープウエイで急降下。スイスの家を空から見ながらの空中散歩。とてもすがすがしい思いを胸に下山。
|
18:00 ホテル・ユニオン着 チューリッヒ | 夕食までは、わずかな自由時間。ルツェルン湖の畔を散策し屋根付きのカペル橋を渡って市内観光。 |
19:30 夕食 チューリッヒ | <メインメニューはフライド・チキン。> いままでと違ってゆったりとした気持ちで食事ができた。そして、そうだ。今夜はヨーロッパでの最後の夜なのだ。 [長いと思っていた旅もいよいよ終わりだ。みんなそれぞれに別れを惜しんで、なかなか眠れないのでは。] |
<パスポート事件> お店でパスポートにスタンプを押してもらいに行ったらパスポートが1つ増えてしまったのです。他の日本人旅行者がなくしてしまったのでしょう。外国ではこれをなくすと日本にすぐには帰れなくなってしまいます。大変な事件です。ガイドさんがいろいろ調べたのですがわからなかったそうです。 |
<エピソード> ああカンチガイ! ・ドイツの通貨「ペニヒ」の『ヒ』を『ス』と言い違え、本人は気づかず周りの人が赤面してしまった。 ・ ピラトゥスの山を、「ピラニヤ」とか「ピストル」とか「トラピスト」とかいろいろ言い替えている人がいた。 |
道中日記1989年10月4日(8日目) / 道中日記1989年10月6日(10日目)